2011-03-17から1日間の記事一覧

巨大地震と經濟 五つの謬論(1)震災は經濟にプラス

約一週間前の三月十一日、東日本を襲つたマグニチュード九・〇の巨大地震は津波、火災、さらには福島原發での爆發事故などを引き起こし、今なお被害は擴大してゐる。ここでは犠牲者への哀悼の意や、現場で救援・復舊等に携はる人々への感謝をくだくだしく書…

巨大地震と經濟 五つの謬論(2)復興税を導入せよ

震災の復興資金をまかなふ方法として、政治家や專門家から大きく二つの選擇肢が提案されてゐる。一つは増税だ。自民黨の谷垣禎一總裁は「東北復興ニューディール政策」を行ふべきだと述べ、財源確保のため増税を提案した。しかし經濟的な效率の面で、税は寄…

巨大地震と經濟 五つの謬論(3)復興國債を發行せよ

復興資金をまかなふもう一つの選擇肢として取りざたされてゐるのは、國債だ。エコノミストの高橋洋一氏は、十兆圓程度必要といふ復興資金の財源として、増税案を批判し、それに代へて「復興國債」の發行を提唱してゐる。それも日銀による直接引受がよいとい…

巨大地震と經濟 五つの謬論(4)便乘値上げを許すな

地震發生後、ある會社社長の「行状」が話題になつた。人々が生活必需品を爭ふやうに買ひ求めるのに目をつけ、値上げで儲けた話をウェブで紹介し、高くても賣れる時は値上げするべきだなどと書いたところ、轟々たる非難を浴びたのだ。だが不足してゐる物資や…

巨大地震と經濟 五つの謬論(5)消費しまくれ

被災で多くの人々が命を落としたり、不便な避難生活を強ひられたりしてゐることが傳はるにつれ、震災を免れた者が消費を樂しむのは申し譯ない、不謹愼だと言ひ出す人がゐて、それに對し「消費を控へると經濟活動が停滯し、被災地にも惡い影響を及ぼす。むし…