ハズリット

社會主義者ケインズ

ケインズの主著『一般理論』が山形浩生の新譯(正式な邦題は『雇用、利子、お金の一般理論』)で講談社学術文庫に入つた。すでに電子版もインターネットで公開されてゐるが、同時に手頃な紙の本として讀めるやうになつたのは、世界が財政金融危機に襲はれて…

巨大地震と經濟 五つの謬論(5)消費しまくれ

被災で多くの人々が命を落としたり、不便な避難生活を強ひられたりしてゐることが傳はるにつれ、震災を免れた者が消費を樂しむのは申し譯ない、不謹愼だと言ひ出す人がゐて、それに對し「消費を控へると經濟活動が停滯し、被災地にも惡い影響を及ぼす。むし…

財政政策の幻想

政府が行ふ經濟對策は有害無益なものばかりだが、「財政政策」もその一つだ。ひと頃は豫算の無駄遣ひといふ非難を浴びて鳴りを潛めてゐたが、最近の不景氣で「やつぱり必要」といふ聲が息を吹き返してきた。性懲りもないとはこのことだ。經濟學の教科書など…

供給力過剩のまぼろし

日本經濟が立ち直るにはまづデフレ(物價の持續的な下落)を止めなければいけない。そのためには日銀がとにかくお札を刷りまくり、世の中にお金を大量に供給すればよい。だがいまいましいことに、無智な素人や藝能人は「インフレが怖い」などと口走る。評論…