2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

祈りが墮落するとき

宗教は人類の歴史とともに文化や倫理の形成に大きな役割を果たしてきた。しかし宗教は、他のさまざまな事柄と同樣、政治と結びつくとき墮落する。とりわけその墮落があらはになるのは、戰爭においてである。戰ふか戰はないかは本來個人の良心に照らして判斷…

世界標準を疑へ

景氣が惡いときには、中央銀行が金融緩和を行ひ、政府が財政支出を擴大して、經濟をテコ入れするのが經濟政策の「世界標準」だといはれる。そのとほりだ。しかし世界標準だから正しいとは限らない。現在の世界標準とされるこれらケインズ流の經濟政策は、む…

統制經濟の悲喜劇

政府は政治的目的を達するために、しばしば經濟に介入する。しかし政府が介入すればするほど、經濟の働きを歪める。その結果、政府は目的を果たせないばかりか、思はぬ副作用を惹き起こす。それを抑へ込まうと介入を強めれば、さらなる副作用をもたらす惡循…

國家崇拜の醜惡

國家とは人間の形成する集團の一つにすぎない。ところが近代以降、社會における國家の存在が異樣に肥大した。それが最も鮮明になるのは戰爭のときである。戰時には、國家を超える價値觀を信じることが許されず、逆らふ者には賣國奴の罵聲が投げつけられる。…