2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

さつさと政府を退場させろ

ポール・クルーグマンの最新刊『さっさと不況を終わらせろ』(山形浩生譯、早川書房)が出た。クルーグマンと言へば、現代經濟學を支配するカルト宗教、ケインズ教の最も有名かつ熱心な傳道師である。もちろん本の中身は、政府といふ神の「御業」が十分にお…

ゴネ地主を擁護する

あるきつかけで、公開中の映畫『グラッフリーター刀牙(とき)』(藤原健一監督)を都内で觀て來た。正直あまり期待してゐなかつたのだが、これが面白かつた。馬鹿馬鹿しさに徹したところがよい。そしてもうひとつ、市場經濟の本質とは何かを考へるヒントに…

ハイエク對フリードマン

フリードリヒ・ハイエク(1899-1992)とミルトン・フリードマン(1912-2006)はしばしば、「新自由主義」の經濟學者としてひとくくりにされる。たしかに經濟にたいする政府の干渉を批判する點で二人は共通してゐる。しかしぜひ知つておかなければならないの…

フリードマンを超えろ

二十世紀を代表する經濟學者の一人、ミルトン・フリードマンの『選択の自由』(西山千明譯、日本経済新聞出版社)が新裝版で再登場した。しばらく品切れになつてゐたので、復刊で手に入れやすくなつたのは喜ばしい。ただしこの本は注意して讀まなければなら…

2012年上期人氣記事ベストテン

2012年上半期(1-6月)によくアクセスされた記事ベストテンです。お讀みいただきどうもありがたうございました。 リフレ主義は國家主義――中野剛志『レジーム・チェンジ』 『新ナニワ金融道』と惡法の問ひ ハイパーインフレはあり得ないか――『日本が破綻しな…

死刑免除は遺言で決めよ

刑事法學の大御所で、元東大教授の團藤重光(だんどう・しげみつ)が先週九十八歳で死去した。最高裁判事も務めた團藤は、死刑制度廢止を強く主張したことで知られる。しかし死刑を廢止するにせよ、維持するにせよ、政府が畫一的に決めれば、反對意見を持つ…