2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

タックス・ヘイブンは惡か

税金がない、またはほとんどない國や地域であるタックス・ヘイブン(租税避難地)は、日本を含む他國政府から惡のレッテルを貼られ、地球上から抹殺されさうになつてゐる。しかしタックス・ヘイブンは惡ではない。惡いのは重税を課す政府であり、タックス・…

戰爭はいかがはしい商賣

世の中には、戰爭を崇高な行爲と崇める一方で、商賣を俗惡な行爲と蔑む人々がゐる。しかし戰爭の多くは商賣である。それも、顧客が望む品質・價格の商品を自發的に贖入してもらふ、まつたうな商賣ではない。多くの人々の生命を犠牲にしながら、しばしば劣惡…

戰爭の無力

人間はしばしば、自分の信じる價値觀を他人にも共有してもらひたいと考へる。その手段が言葉による説得であれば問題はない。しかし暴力や脅迫による強制は、間違つた手段である。とりわけ、大勢の人々を卷き込む戰爭といふ究極の暴力によつて特定の價値觀を…

特攻命令といふ殺人

大東亞戰爭で日本陸海軍が行つた體當たりによる自爆攻撃、すなはち特攻は、日本人の誇りであると稱へる者が少なくない。たしかに、國を守るためと信じ、若い命を捧げた隊員たちの態度は心に迫る。ところがその一方で、志願の建前とは裏腹に若者に特攻を命令…

戰爭は野蠻の衝突

戰爭は「文明の衝突」だといはれることがある。しかしそれは適切な表現ではない。なぜなら文明の本質は平和だからである。暴力を本質とする戰爭は、むしろ「野蠻の衝突」と呼ぶべきである。 米國の政治學者サミュエル・ハンチントンは1996年の著書『文明の衝…