2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『日本人として読んでおきたい保守の名著』

潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』(PHP新書、2011年)カバー見返しの内容紹介にかうある。 「ネット保守」という言葉に代表されるように、若い世代で「保守」を自認する人が増えている。しかし、保守層にも日米・日中の外交関係から、TPP参加…

『老子』

『老子』(小川環樹譯註、中公文庫、1973年)戰勝のしらせが屆けば、銃後の國民は花火を上げ、旗行列をして喜ぶ。凱旋將軍は群衆の歡呼と小旗の波に包まれ、盛大な出迎へを受ける。洋の東西を問はず、どこにでも見られる光景だらう。戰爭に勝てば、それを祝…

『原爆投下決断の内幕』

ガー・アルペロビッツ『原爆投下決断の内幕――悲劇のヒロシマ・ナガサキ』(上下、鈴木俊彦他譯、ほるぷ出版、1995年)原爆投下決断の内幕〈上〉―悲劇のヒロシマナガサキ作者: ガーアルペロビッツ,Gar Alperovitz,鈴木俊彦,米山裕子,岩本正恵出版社/メーカー:…

『デフレの正体』

藻谷浩介『デフレの正体――経済は「人口の波」で動く』(角川oneテーマ21、2010年)著者紹介欄によると、藻谷氏は「平成合併前の約3200市町村の99.9%、海外59ヶ国を概ね私費で訪問した経験を持つ」といい、現場で得た豐富な情報を賣り物にしてゐるやうだ。ま…

『マネー避難』

藤巻健史『マネー避難――危険な銀行預金から撤退せよ!』(幻冬舎、2011年)本書には日本の財政問題への嚴しい認識をはじめ、賛同できる部分も少なくない。しかし「円安になれば、今の日本にあるほとんどの問題が解決するのです」(209頁)といふ圓安信仰がす…