2010-01-01から1年間の記事一覧
「最低の道徳」即「刑法」と言つたのは、要は「道徳ではないです」と云ふ事。(2010/04/15 03:15) それでは論理が成立しません。「最低の道徳」も道徳である以上、野嵜さんは「道徳は道徳でない」と仰つてゐることになります。 客觀的な正義なるものは存在…
野嵜さん ケルゼンに據れば……・共同體の一員が勝手に他人を殺すのは犯罪である ・勝手に他人を殺した共同體の一員を、共同體の秩序を維持する爲に共同體が死刑に處するのは犯罪ではない……となつてゐます。その邊の區別について、木村さんは如何御考へですか…
程度の差はあれ、全ての自由主義國は、福祉制度の充實に限らず、年金制度、健康保險制度、その他の社會保障制度の充實を行つてゐます。日本も例外ではありません。(2010/04/13 22:49) 皆がやつてゐるから正しい政策、とは言へません。 福祉や社會保障の充…
野嵜さん、またこちらに書きます。 我々は、生命にしても財産の自由にしても、存在して良いか良くないかを、それ自體として判斷しません、外部の理由により判斷します。 すると私や私の家族が「存在して良いか良くないか」は、誰かがその場その場の「外部の…
野嵜さん、こちらに書きます。 正直、經濟の話と正義の話を結び附けるのは賛成しかねます。或は、生延びる爲のパンを得る爲の御金に關する事と、より善く生きる道徳とは、結び附かないと思ひます。 財産權を道徳と結びつけて論じるのは、少なくとも西洋では…
三宅龍太郎さんといふ方がいくつかの記事に言及してくださつてゐます。以下、それに對する私の意見を記します。 通貨の話をされるなら発行主体(国や政府)の信用が何うであるか、その信用を獲得する為には何が必要か、を考えなければならないのでは。 (「…
大ヒットした映畫「アバター」は、人間と宇宙人が戰ふ物語だ。だが普通のSF映畫と違ひ、宇宙人が地球を襲ふのではない。その逆だ。人間たちが異星パンドラの地中から稀少鑛物を手に入れようと、邪魔になる森林を切り倒し、古くから住む種族を武力で追放し…
個人の財産權は侵すことのできない神聖な權利だと考へるリバタリアンの立場から見ると、政府が課税やインフレ(通貨量の膨脹)によつて個人の財産を奪ふことは、「民間」の強盜と同じく、犯罪行爲に外ならない。だが殘念ながら、その道理を認め、國民の財産…
橘玲『貧乏はお金持ち』(講談社、2009年)の「まえがき」(ウェブで公開されてゐる)はかう始まる。 この本のコンセプトは単純だ。/自由に生きることは素晴らしい。(3頁、強調は原文) たしかに自由に生きることは素晴らしい。だがその自由をどう守るのか…
石油や食料品など一部の商品が値上がりするだけでは、インフレとはいいません。インフレとは物価全体が持続的に上昇する現象を指すのです――。經濟學の入門書によくこんな解説が書いてある。素直な讀者は「なるほど、これで經濟リテラシーが高まつた」と喜ぶ…
文章を書くのが好きな人なら、きつと自分の考へ方や書き方に影響を及ぼした著作家があることだらう。私の場合、日本人に限れば少なくとも三人の名を舉げることができる。ベストセラーを連發する作家やジャーナリストに比べれば知名度こそ劣るが、その文章は…
『自由貿易の罠』(青土社、2009年)の著者、中野剛志は經濟産業省職員だが、政府による貿易の制限、すなはち保護主義の強化を主張した同書の「あとがき」でかう強調してゐる。 筆者は、自分が大学教授であろうと、新聞記者であろうと、あるいはダンサーであ…
外國による侵掠を恐れない人はゐない。侵掠された國民の運命は悲慘だ。生命を奪はれ、財産を奪はれ、勞働を強制される。つまり暴力によつて自由を奪はれる。そのやうな悲慘な運命をたどりたくないから、たいていの國は軍隊を持ち、外敵の侵掠に備へる。日本…
長い歴史を持ち、誰もがそれを當然と思つてゐる制度を疑ふことは難しい。今の日本人からすると、江戸時代の御先祖樣が嚴しい身分制度の下に生きてゐたことなどほとんど信じられないし、逆に江戸の人々が我々を見たら、民主主義などといふ仕組みで政治指導者…
世間の大半の人は、自由主義と民主主義は似たやうなものだと思つてゐる。だが兩者は全く別物だ。それどころか正反對の理念ですらある。自由主義*1は政府が個人の自由を束縛することに反對する。したがつて政府の權限を可能な限り小さくすることを要求し、最…
クイズ。1929年に起きた世界恐慌の原因は次のどれ? ものすごいインフレが起こった ニューヨークである日突然株が大暴落した 金本位制に復帰した 勝間和代・宮崎哲弥・飯田泰之『日本経済復活 一番かんたんな方法』(光文社新書、2010年、168-169頁)による…
反市場の風潮と鬪ふべくこのブログを始めたわけだが、早くも最強の敵が現れた。なにしろ相手は人間ではない。山だ。いや、相撲取りではない。本物の山だ。日本中の山が私のやうな市場原理主義者を目の敵にして鬪ひを挑んでゐるらしいのだ。 いくら騎士を名乘…
主流派經濟學者らによると、我々が生きてゐるこの世界に、恐ろしい地獄が時折出現する。しかもここ日本ではその地獄がまさに出現しつつあるといふ。その地獄とはデフレ地獄。人々がお金ばかり欲しがつてモノを欲しがらなくなり、モノの値段が全體的に下がり…
民主黨の藤田幸久國際局長(參議院議員)が2001年9月11日の米同時多發テロについてテロリストの犯行かどうかに疑問を挾んだとして、米紙ワシントン・ポストが社説で同議員を酷評した。異樣だ。實に異樣だ。藤田議員の發言内容ではない。ワシントン・ポストが…
このブログでは市場經濟に對する政府の介入を徹底的に批判してゆく方針だが、批判の對象となる「政府の介入」には當然、政府・中央銀行による金融政策を含む。金融政策とは貨幣に對する政府の恣意的介入にほかならないからだ。政府が田舎にダムや道路を造る…
日本經濟が立ち直るにはまづデフレ(物價の持續的な下落)を止めなければいけない。そのためには日銀がとにかくお札を刷りまくり、世の中にお金を大量に供給すればよい。だがいまいましいことに、無智な素人や藝能人は「インフレが怖い」などと口走る。評論…
デフレ(物價の持續的下落)はなぜ惡いのか。經濟評論家、勝間和代によれば「デフレは百害あつて一利なし」。まるで發ガン物質みたいな言はれやうだが、實際、勝間氏は著書『自分をデフレ化しない方法』(文春新書、2010年)でデフレをずばり次のやうに呼ん…
前囘の記事「ベーシックインカムのユートピア」で小飼弾さんを批判したところ、偶然にもその直後、小飼氏が自身のブログでベーシックインカムをあらためて推奬した。しかも財源として、私が同じ記事で批判した飯田泰之さんのインフレ構想を「コロンブスの金…
ベーシックインカムとは、政府がすべての國民に對し最低限の生活に必要な現金を無條件で支給する制度。從來の社會保障制度と異なり、世帶でなく個人に對して支拂はれることや、所得水準にかかはらず支拂はれることなどが特徴だ。金持ちも支給を受けることに…
さて本論を始める前に一言説明しておきたい。さう、私のこの文章の書き方のことである。ええと、「旧字旧かな」ていうんだっけ、これ? なんでわざわざこんな古臭い書き方すんの? こいつは戦前生まれのジジイか? それとも小難しい字を使ってインテリぶって…
市場原理主義、新自由主義、自由放任主義、野放し資本主義――。今、日本中で、いや世界中で、市場經濟や經濟的自由を非難する聲が勢ひを増してゐる。格差擴大も、金融危機も、地球温暖化も、人心の荒廢も、スノボー選手の服裝が個性的すぎるのも、すべてアメ…